人魚伝説の碑
住所 | 新潟県上越市大潟区雁子浜92-5 |
電話 | +81 25-536-6707 |
時間 | 00:00-24:00 |
カテゴリー | 史跡, 観光名所 |
評価 | 4 7 件の口コミ |
Monument of Marmaid Legend | |
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人魚伝説の碑 件の口コミ
7 人魚塚伝説
昔、遠くに佐渡島が見える雁子浜という小さな村に、妙明神様のお社があった。夜になると漁師たちの上げるたくさんのろうそくの火が、荒海を超えて佐渡島からも見えたそうな。
この雁子浜に、一人の若者が母親と二人で暮らしておった。
あるとき若者は、用があって佐渡島二渡り、一人の美しい娘と知り合った。むすめは、色が白く、豊かな黒髪は、つやつやとひかり、潮の香を含んでいた。まるで北の海に住むという人形かと思う程であったと。
二人はすっかり親しくなって、人目を忍んで語り合うようになった。けれど間もなく用が済んだ若者は、娘を残して雁子浜に帰って行った。
佐渡の娘の若者を慕う心は、それはもう激しかった。ある夜、娘は、若者に会いたい一心に、とうとう、たらい船にのって、荒海に漕ぎ出した。雁子浜の明神様の明かりを目当てにな。
若者も、佐渡の娘が夜の夜中に、たらい船にのって命がけで会いに来てくれたことをどんなに喜んだことか。
けれど、夜は短い。二人の語り合えるのは、ほんのわずかだった。一番どりがなく頃には、娘は名残惜しみながら佐渡島へ戻らなければならなかった。
こうして、佐渡の娘は、毎晩たらい船で荒海を乗り切って、雁子浜にやってくるようになったと。若者は、風の強い日は、娘が目当てにしている明神様の明かりが消えないようにまもり続けていたそうな。
ところで、若者には、母親の決めた、いいなずけがおった。
ある日の夕方、そのいいなずけが、両親と一緒に若者の家を訪ねてきた。そして、その晩はとまっていくこととになった。
若者は気が気でない。佐渡の娘と会う約束の時刻になると、そっと家を抜けだして海辺へ走ろうとした。すると母親が出てきて、
「おまえ、今夜も浜へ行くのかえ」
ととがめた。
若者は返事に困った。佐渡の娘のことは誰にも内緒にしておった。ところが
「おっかあは、ちゃんと知っているよ。お前に、仲のいい娘がいることをさ。若いもんどおしのことだから、いままで黙って見ておったが、今夜だけはいかんでくれ、な」
と引きとめた。
「おまえと夫婦になる日を待ち焦がれているいいなずけの事を不憫とは思わないのかね。さあ、家の入っておくれ。このとおりだよ」
母はそう言って、手を合わせる。さすがに若者も、母の頼みをけって、浜辺へ行くことはできなかった。
(今夜一晩くらいいかなくても、明日になればまた会えるのだ。佐渡の娘も、俺がいなければ、帰っていくだろう)
と若者は、仕方なく家に戻った。
夜が更けて、風が出てきた。その風が、だんだん強くなってくる。若者は明神様の明かりが気になった。
(けれど、いままでだって、明かりがみんな消えてしまったためしはないし)
と、若者はむりやり自分の心に言いきかせておった。
やがて、夜が明けた。若者は、もうじっとしておられず、夢中で浜辺へ走った。
朝の海は、昨夜の風も収まって波もない。日の光に輝いている。
海辺には、早起きの村人が五、六人、波打ち際に集まっていた。
「かわいそうになあ。こんなわかい器量よしのむすめがなあ」
「まるで、人魚みたいじゃて」
「昨夜は、明神様の明かりがすっかり消えてしまったからのう」
「なしてまた、夜の海になど、出たもんかのう」
若者が村人達のそばへ行ってみると、波打ち際に横たわっているのは、あの佐渡の娘の変わり果てた姿であった。
つやつやと豊かであった黒髪も、いまは乱れて、白い、蝋のような顔にふりかかっていた。
若者は、魂が抜けたようになって家に戻ったが、その夜遅く、海に身を投げてしまったと。
村人たちは、二人を明神様の近くに手厚く葬り、塚を建てた。誰が名をつけたのか、その塚は、いつとはなしに<人魚塚>と呼ばれるようになった。
遠く佐渡島の見える雁子浜の丘に、人魚塚は、いまもひっそりと立っている。
<再話、鈴木香子>
見晴らしがよい
通りから駐車場へ入るところに看板があるものの見過ごしがち
わかりづらい
駐車場はさほど広くない
近隣で家畜を飼っているのか?肥やしの臭いがきつく、居てもたってもいられない
『鵜の浜』で『人魚像』を撮影したので、少し足を延ばして『人魚伝説の碑』まで。
道路沿いの看板に従い曲がった細い道の先、数台駐車可能な駐車場が在り、すぐ目の前に『人魚伝説の碑』が在ります。
読んでみると『佐渡島』から夜な夜な渡ってくる女性との不倫がテーマになっています。一言も人魚と書かれていません。
実際問題『佐渡島・小木港~直江津港』78kmを現代の高速フェリー(あかね丸・巡航速度30ノット・1ノット=1.86km/h)でも1時間40分。
女性の細腕では海を渡る事すら不可能でしょうからやっぱり『人魚?』
『ろうそくと人魚』の作者『小川未明』さん出生の地とも在りました。
内容をすっかり忘れてましたので慌ててググってみますと………
『人魚』より恐ろしいのは『人間』ですね。