月光泉

月光泉は商店街のはずれに位置する街中銭湯。
ちょうど訪問時は商店街でイベントが行われて
おり、子どもから大人まで賑わいをみせていた。
この日の営業は14時半からだが、既に開店前から
多くの常連が並んでおり、商店街に人が溢れる。

浴室は壁面に巨大な滝と気球がが描かれており、
その時点で、他の銭湯の風景がと一線を画すが、
なんといっても月光泉の特徴は、天井の配色だろう。
ピンク、ライトブルー、ペールオレンジ、グリーン
とパステルカラーを基調とした配色が並ぶ。

この配色はどのような経緯によるものなのか、
最奥部の風呂につかると、壁画は見えないのだが
天井はよく見えるため、奇抜な配色にどうしても
目がいく。ゆるやかなアーチ状の天井と相まって
これが異文化の虹表現のように見えなくもない。
なぜかキューバ的な雰囲気を感じる。

風呂上がり、男女脱衣所の中間部分にある休憩
スペースで寛ぐ。城のタイル画もさることながら、
深夜のフィラー映像のような番組が流れており、
そこでまた心が癒される。さて、喉の渇きをここで
解消すべきか、或いは街に繰り出しハイサワーを
飲むべきか、という幸せな逡巡をのぼせた頭で続ける。

営業は14時半からと比較的早めに始まるのに加え、
日曜日は朝湯もやっているという充実ぶり。
このような素晴らしい銭湯、そしてハイサワー文化
をもつ武蔵小山を羨ましいと思わずにはいられない。

2018年10月13日
湯屋本常一