玉鹿石(太宰治入水の地)
住所 | Tokyo, Mitaka, Shimorenjaku, 3 Chome−6−54 |
時間 | 00:00-24:00 |
サイト | www.city.mitaka.tokyo.jp/dazai/dazaitomitaka/yukari.html |
カテゴリー | 史跡, 観光名所 |
評価 | 3.6 7 件の口コミ |
近くの同様の会社
|
玉鹿石(太宰治入水の地) 件の口コミ
7 太宰治入水心中をしたと推測される地の一つに置かれた、彼の故郷の青森県北津軽郡金木町産の「玉鹿石」です。
ここよりも少し駅寄りの場所に太宰治の碑とされるステンレスのプレートが掲げられているのは、心中時の明確な場所が不明なのか、後追い自殺を防ぐためか、私には推測はつきません。
私自身は太宰はそれほど読んだ事はなく、むしろ近年のサブカルチャーであるマンガやアニメやライトノベルで戯画化された太宰治の方が印象に残っています。
『さよなら絶望先生』、『文豪ストレイドッグス』『太宰治、異世界転生して勇者になる』…。
それは、太宰の写し絵でありながら太宰の描いた作品そのものではありませんので、私自身は太宰をあまり読んだ記憶には当たらないでしょう。
ただ、人の魂の形は様々あれど、現代に生きる私たちにとって、太宰は果たして自殺するほど不幸だったのか、私にはわかりません。
太宰の実家は裕福で、今でも自民党議員の津島氏を輩出しています。
太宰は妻子を実家に疎開させ、自らは東京で執筆活動を続けますが、三鷹駅周辺は当時において開発進んでおらず、例えば真北にある中島飛行機武蔵製作所のあった現武蔵野中央公園よりもはるかに戦災は少なかったですし、田無駅や西武柳沢駅は今は三鷹駅よりも閑静ですが、巻き込まれた空襲もあり、長崎に投下された原爆『ファットマン』を模した『パンプキン』が投下されています。
戦災において太宰は日本国民全体において相対的に不幸ではなかったのではないか、と思います。
また、現代は無縁社会と言われます。生涯未婚率、そして結婚しても出生率の低い時代において、妻もおり、心中する相手もいた太宰は果たして不幸だったのか。
左翼活動もしていた彼としては、戦後の特高警察の解体や治安維持法の廃止は朗報ではなかったのか。
歴史にIFは禁物ですが、彼は政治的な意志を持ち続けていれば、心中から1か月ほどすると、国鉄三鷹事件がこの近くで起き、労組が提訴されます、
左翼活動経験もある太宰が存命ならば、松本清張のように切り込んでいく事も出来たのではないか。
比べる事もおこがましいし、時代も違うのですが、京都アニメーション放火事件を起こした青葉真司容疑者は、社会の底辺であがき、創作者になる事はありませんでした。
太宰は加害者になる事はなく、青葉は加害者になった。
しかし、非正規雇用で格差が広がり、無縁社会の日本において、太宰は私たちが持ちえないものを数多く持っていました。
私は文系ですが、文学よりも歴史や社会に価値を見出した人間です。
だから、太宰の悩みも思いも深く理解する事は出来ないのですが、果たして死ぬべきに値する悩みだったのか、しかし、恵まれた太宰が心中したのだからこそ、この社会はもっと優しくなって欲しいと、強く感じました。
1分1秒を争う通勤電車で特快待ちや東西線への乗り換えがある三鷹駅の近くだからこその思いかもしれません。
JR三鷹駅を背にして、風の散歩道の右側の植え込みに設置されています。そのあたりで入水自殺したとのこと。
太宰の故郷である青森県北津軽郡金木町から運ばれてきた「玉鹿石」が、太宰治を偲ぶことを目的に訪れましたが、残念ながら、玉川上水は手入れがなされていなくて、ドブ川を眺めるような思いをしました。
貧相な展示方法で、思いを馳せるどころのものではなく、がっかりしました。観光に太宰治を使用するならば、もっと敬意を感じさせるような展示にしてもらいたい。
三鷹は太宰治のゆかりの地、駅南口を出て線路沿いに左へ往けば、“かぜのみち”と呼ばれる玉川上水がある。その側道に五所川原から運ばれた石碑『玉鹿石』が置かれていて、この辺りで太宰治は入水したという。
1948年、私はまだ8歳だったが、叔父から入水したことを聞かされた。“太宰治って誰だろう”と思ったが、大の太宰ファンだった叔父の慌てぶりを今もはっきり覚えている。
のちになって読んだ『ヴィヨンの妻』や『日の出前』に、このあたりが記されていました。
上水は春は桜、初冬には紅葉の美しい所です。
三鷹には太宰治の史跡が19ゲ所あり、駅前のコラルビルに『太宰治展示室』がオープンしました。
合わせて観覧下さい。太宰治の一面を知ることができます。
太宰氏の故郷、青森県は五所川原市金木町から運んだ石。遺族に配慮したため石には何の説明も施されていませんが、彼の読者には何故これがこの場所に置かれたのかは説明不要とのものと思います。