幻想の森

林業、山仕事をしている者からしても、ここの杉はとても変わった形態をしていて興味深いです。
樹齢1,000年以上というと、歴史的に考えるとこれらの幻想の森の杉は人間が苗木を植えて造林した木ではないのかもしれない。
日本古来から生えていた杉で、ここ日本海側に特有の裏杉というのが実生で（自然に飛んだ杉の種から）生えた杉なのかもしれない。
すぐ隣には、普通の杉が生えている造林地もあって（こちらは間違いなく、数十年前に苗木を植え、下刈りをして造林した人工林）そのギャップが面白い。

でも、普通に観光に来た一般人の視点から見ても、大きくて変わった形をした杉がたくさん生えていて、迫力があり独特の雰囲気があります。

こうした林業・山仕事の視点からも幻想の森を見ていだだけると、林業に携わる者からするととてもうれしいです。
こうした視点で見ると、日本人と杉、木と山との付き合い方の歴史が分かって、より興味が持てるかと思います。

ぜひ行ってみてください。見応えがあります。

山形県酒田市方面から最上川を上流へ走ると、白糸の滝ドライブインの先、500mほどで右に「幻想の森」の案内看板があります。細い林道を10分ほど走ると、幻想の森に到着です。変わった形の大きな杉の木がいっぱい生えてます。

吉永小百合さん出演のJR東日本のコマーシャルの放映で「幻想の森」は一躍全国区になってしまいました。吉永さんのバックに写っていた同株多幹の異形の巨杉は一際わたし達の目を引きました。京の都を追われて奥州平泉の藤原氏を頼って落ちのびる「源義経」一行に纏わる「義経伝説」がこの最上川沿いにも数多く残されています。その中の一つに「たけくらべの杉」があります。同株多幹の杉があたかも兄弟同士「丈比べ」をしているかのように、それとも行く手を阻む壁のように義経の眼には映ったのでしょうか！？